ECサイトやWebサービスの商品ページでは、「アクセスはあるのに購入につながらない」「広告からの流入はあるもののCVRが伸びない」といった課題がよくあります。
こうした課題を改善する方法の一つが、商品画像のABテストです。
商品画像はユーザーが商品を判断する際に重要な要素ですが、「なんとなく画像を変更する」だけでは、どの改善が成果につながったのか判断できません。
そこで、複数の画像パターンを用意してユーザーの反応を比較することで、CVR改善につながる画像の条件をデータから見つけることができます。
本記事では、法人のEC担当者やマーケティング担当者向けに、商品画像のABテストの基本から、具体的な進め方、テストすべきポイント、失敗しないための注意点まで解説します。
商品画像のABテストとは?
商品画像のABテストとは、異なる商品画像をユーザーに表示し、それぞれの成果を比較する検証方法です。
例えば、同じ商品について以下の2パターンを用意します。
- A:商品単体を白背景で撮影した画像
- B:実際の使用シーンが分かる画像
ユーザーをA・Bのグループに分けて表示し、「どちらの画像のほうが購入につながったか」を比較します。
単純に「Aのほうが見栄えが良い」と判断するのではなく、クリック率や購入率などの実際のデータをもとに判断できることがポイントです。
商品画像はCVRに影響する重要な要素
ECサイトでは、ユーザーが商品を直接手に取って確認できません。
そのため、
- 商品の見た目
- サイズ感
- 使用イメージ
- 素材感
- 機能
- 品質
などを画像から判断することになります。
画像が分かりにくければ、商品に興味を持ってもらえなかったり、購入前の不安が解消されなかったりする可能性があります。
反対に、商品の魅力や利用シーンが伝わる画像に改善できれば、ユーザーの購買意欲を高められる可能性があります。
なぜ商品画像のABテストが重要なのか?
商品画像の改善をABテストで行うメリットは、大きく4つあります。
1. 感覚ではなくデータで判断できる
画像制作では「こちらのほうが良さそう」「このデザインのほうが目立つ」といった感覚的な判断になりがちです。
しかし、実際にユーザーがどの画像に反応するかは、担当者の予想と異なるケースがあります。
ABテストを実施すれば、
仮説 → テスト → データ分析 → 改善
という流れで画像を最適化できます。
2. 小さな画像改善からCVR向上を狙える
サイト全体を大幅にリニューアルするには、制作コストや社内工数が必要です。
一方、商品画像の変更であれば、比較的小さな施策として実施できます。
例えば、
- メイン画像を変更する
- 商品画像の順番を変更する
- 使用シーン画像を追加する
- テキスト入り画像を作る
- 背景を変更する
といった改善から始められます。
大規模なサイト改修を行う前に、画像という一つの要素から改善効果を検証できるのはABテストの大きなメリットです。
3. 売れる画像のパターンを蓄積できる
ABテストを継続すると、自社の商品について「どのような画像が成果につながりやすいのか」という知見が蓄積されます。
例えば、
- 人物が写っているほうがクリックされやすい
- 使用シーンを見せたほうが購入率が高い
- 商品単体の画像はシンプルな背景のほうが良い
- メイン画像には文字を入れないほうが良い
などです。
こうしたデータを蓄積すれば、今後の商品画像制作にも活用できます。
4. 商品画像制作のROIを評価しやすくなる
企業にとって重要なのは、単純に「画像がきれいになったか」ではありません。
重要なのは、画像改善にかけたコストに対して、どれだけ成果が増えたのかです。
ABテストによって画像変更前後の成果を比較できれば、画像制作への投資効果を評価しやすくなります。
商品画像のABテストで何を比較する?
ABテストでは、一度にすべてを変更するのではなく、検証したい要素を明確にすることが重要です。
代表的なテスト項目を紹介します。
① メイン画像
最初に検討したいのがメイン画像です。
ECサイトでは、一覧ページや検索結果などで最初にユーザーの目に入る画像になるため、特に重要です。
例えば、
A:商品単体
B:使用シーン
という2パターンを比較します。
② 背景
背景色や背景デザインを変更するテストも有効です。
例えば、
- 白背景
- ブランドカラー
- ライフスタイル系背景
- 商品に関連するシーン
などを比較します。
商品そのものを目立たせたいのか、世界観を伝えたいのかによって適した背景は異なります。
③ 人物・モデルの有無
アパレル、化粧品、家具、家電などでは、人物やモデルを使った画像が有効なケースがあります。
例えば、
A:商品単体
B:人物が実際に使用している画像
を比較します。
商品のサイズ感や使用方法を伝えたい場合には、人物を入れることでイメージしやすくなる可能性があります。
④ テキストの有無
商品画像にキャッチコピーや特徴を入れるパターンも検証できます。
例えば、
- 「累計販売10万個」
- 「防水仕様」
- 「最短5分で設置」
- 「初回限定30%OFF」
などです。
ただし、情報を詰め込みすぎると画像が見づらくなるため、伝えたい情報を絞ることが重要です。
⑤ 商品画像の構図
同じ商品でも、撮影角度や配置を変えることで印象が変わります。
例えば、
- 正面
- 斜め45度
- 上から
- 使用中
- 複数商品を並べる
などです。
商品の魅力が最も伝わる構図をABテストで検証できます。
商品画像のABテストの進め方【5ステップ】
ここからは、実際に企業でABテストを実施する際の流れを紹介します。
STEP1:現在の課題を明確にする
まず、「何を改善したいのか」を明確にします。
例えば、
「商品ページのアクセスは多いが購入率が低い」
という課題があるとします。
この場合、単純に「画像をきれいにする」のではなく、
商品画像によって商品の魅力や情報が十分に伝わっていないのではないか?
という仮説を立てます。
STEP2:改善仮説を作る
次に、具体的な仮説を立てます。
例えば、
「商品単体の画像より、実際の使用シーンを見せたほうが商品の利用イメージが伝わり、CVR
が高くなるのではないか」
という仮説です。
このように、なぜ改善すると考えるのかまで明確にすることが重要です。
STEP3:テスト用の画像を制作する
仮説に合わせてA・Bの画像を制作します。
ここで注意したいのが、比較する画像以外の条件をできるだけ揃えることです。
例えば構図・サイズ・商品情報などを大きく変えてしまうと、何が成果に影響したのか分からなくなります。
「使用シーンの有無を比較する」のであれば、できるだけその他の条件を統一します。
STEP4:一定期間テストする
画像をA・Bのパターンで表示し、ユーザーの反応を計測します。
ここで重要なのが、短期間の結果だけで判断しないことです。
アクセス数が少ない状態で判断すると、偶然によって結果が変わる可能性があります。
十分なデータを集めたうえで判断することが重要です。
STEP5:結果を分析して次の改善につなげる
テスト終了後は、それぞれの画像について結果を比較します。
代表的な指標には、
- CTR(クリック率)
- CVR(コンバージョン率)
- 購入率
- カート投入率
- 売上
- 客単価
などがあります。
「Bの画像のほうがCVRが高かった」という結果が出たら、Bを採用するだけではなく、
なぜBが良かったのか?
まで分析することが重要です。
ABテストで見るべきKPI
商品画像のABテストでは、目的に応じてKPIを設定します。
| KPI | 分かること |
|---|---|
| CTR | 画像がクリックを促したか |
| CVR | 購入・問い合わせにつながったか |
| カート投入率 | 購入意欲を高められたか |
| 購入率 | 実際の購入につながったか |
| 売上 | ビジネス成果につながったか |
| 客単価 | 高単価商品の購入などに影響したか |
特に重要なのが、CTRだけで判断しないことです。
例えば、目立つ画像に変更したことでクリック数は増えても、商品ページを見た後の購入率が下がる可能性があります。
そのため、最終的な目的が購入であれば、CVRや売上まで確認することが重要です。
商品画像ABテストでよくある失敗
一度に複数の要素を変更する
例えばAとBで、
- 背景
- 商品サイズ
- コピー
- 色
- 構図
をすべて変更すると、どの要素が成果に影響したのか分かりません。
できるだけ検証する要素を絞ることが重要です。
データが少ないまま結論を出す
数日間だけテストして「Bのほうが良かった」と判断するのも危険です。
アクセス数が少なければ、偶然による差の可能性もあります。
一定量のデータを確保し、継続的に検証しましょう。
デザインの好みだけで判断する
社内会議では、
「Aのほうが高級感がある」
「Bのほうが今っぽい」
といった意見が出ることがあります。
もちろんブランドイメージも重要ですが、ABテストではユーザーが実際にどう反応したのかを重視することが大切です。
商品画像のABテストを成功させるポイント
ABテストを一度実施して終わりにするのではなく、継続的な改善サイクルにすることが重要です。
おすすめなのが、
仮説 → 画像制作 → ABテスト → データ分析 → 改善 → 再テスト
という流れです。
例えば、
テスト1
商品単体 vs 使用シーン
↓
使用シーンのCVRが高い
↓
テスト2
使用シーンA vs 使用シーンB
↓
BのほうがCVRが高い
↓
テスト3
Bの構図をさらに改善
というように、一つのテスト結果を次のテストにつなげます。
こうすることで、自社の商品に適した「売れる画像」のパターンを徐々に見つけられます。
商品画像の改善は「制作」だけでなく「検証」まで考える
企業の画像制作では、単純に「きれいな画像を作る」だけでは十分ではありません。
重要なのは、
その画像によってユーザーの行動が変わったか
という視点です。
例えば、
「画像を高品質にした」
だけでは、売上への貢献度を判断できません。
一方、
「画像を変更した結果、CVRが改善した」
というデータが得られれば、画像制作がマーケティング施策としてどの程度貢献したのかを評価できます。
そのため、今後の商品画像制作では、制作→公開→ABテスト→分析→改善までを一つのプロセスとして考えることが重要です。
まとめ|商品画像のABテストで「売れる画像」をデータから見つける
商品画像のABテストは、感覚だけに頼らず、ユーザーの反応をデータで確認しながら画像を改善する方法です。
特に企業では、以下の流れを意識することが重要です。
ABテストするための画像を制作する点でも、加工を外注するのがおすすめです。お客様のご要望通りに画像作成いたします。
まずはお気軽に弊社までご連絡ください。
